特定非営利活動法人子どもと文化のNPOArt.31

第5年度総会報告

 

 第5年度定期総会は、事前の理事会で承認された総会議案書と実施要項を2020年6月1日に発送し、2020年6月11日(木)、Art.31事務所において、現勢正会員数30名のうち、参加25名(うち書面表決参加23名)をもって開催され、すべての議案を満場一致で可決しました。

 

議題① 第四年度活動報告

 

<活動報告>

 2018年度の定期総会で、「収益事業」とみなされる「舞台制作」や「書籍発行」は、法人の事業から切り離すことを確認して、2年間活動してきました。

 法人は、「子どもの文化権の保障」という運動的な課題を活動方針とし、個人事業体である「企画・制作Art.31」の事業を活用し、連携して、子どもの権利条約とその31条の普及と子どもの文化の振興を目的とし、子どものための舞台作品や出版作品の企画・普及や、他団体との連携・協力などを専ら行いました。

 法人Art.31と企画制作Art.31は、両者の申し合わせにより責任を明確に区分した上で、共通する課題については、両者の連合体である「Art.31(代表 大屋寿朗)」として、社会的に活動しています。

 

○舞台作品の企画・普及

 「清水きよしパントマイム」作品は、「Mime Road」が常滑(愛知県)と沼津(静岡県)の2か所の子ども劇場で、鑑賞例会として取り上げられ、知多市(愛知県)の劇場でも地域公演として1ステージ上演しました。「幻の蝶」(プーク人形劇場3ステージ、関西2ステージ、東北1ステージ)、「KAMEN」(高円寺2ステージ、大博覧会1ステージ)と合わせて12ステージを上演し、のべ1200人の観客に見ていただくことができましたが、2019年9月の仙台1ステージを台風19号の直撃で中止。2020年9月の知多市の3ステージは新型コロナウイルス感染拡大に伴う政府の「自粛」要請への対応で中止となりました。仙台の幻の蝶は3月に延期公演が設定されましたが、これもコロナの影響で中止となり、2020年9月に再延期の予定です。

 「シャボン玉の魔術師ミケーレ・カファッジ」の招聘公演は、日本イタリア国際文化交流事業として行い、2019年6月~8月の期間に青梅(東京都)、入間(埼玉県)、福岡2、鳥取3、西大寺(岡山県)、草加(埼玉県)、大博覧会(東京都)、名古屋(愛知県)の11公演が実現、のべ1650人の参加者との交流ができました。

 

○出版物の企画・普及

 「31条ブックレット」№③、№④を新たに企画し、普及を開始しました。どちらも1200冊程度が普及しています(著者預かり分を含む)。昨年度から発行された「ワニブタカレンダー」の普及は、2019年版1500冊に対して、2020年版は約3000冊を普及しました。カレンダーはおとなからも子どもからもたいへん好評で、2020年3月25日に完成した「ワニブタ絵本ガイドブック」につながりました。

 

○社会発信

 2019年6月の「子どもの権利条約市民・NGOの会」の総会で、代表の大屋寿朗が共同代表の一人に加わりました。「市民・NGOの会」は、その総会で、これまでの国連への「報告書(オルタナティブレポート)」をつくる団体から、子どもの権利条約の実現を目指す会への規約と名称の正式改正を決議しています。これまで連携・協力してきた「子どもと文化全国フォーラム」「子どもの権利条約31条の会」「長野の子ども白書編集委員会」「長野県子ども劇場おやこ劇場協議会」との関係も引き続き大切にしながら、「市民・NGOの会」とも有効な連携を作っていきます。

 

◯学習・研究活動

講師派遣

4/4各務原市市民学習会(岐阜県)2回30名

4/5人形劇団劇団むすび座劇団総会記念講演(愛知県名古屋市)50名

4/20長野の子ども白書執筆者学習会(長野県)50名

6/15サザンクス筑後市民学習会(福岡県筑後市)40名

9/23熊本県子ども劇場協議会「権利条約30周年の集い」記念講演(熊本県熊本市)150名

12/1日本子どもを守る会「子どもを守る文化会議」記念講演(東京都豊島区)200名

12/7志木市教育委員会生涯学習課「人権講演会」(埼玉県志木市)100名

2020/1/29子ども劇場埼玉県センター「子どもの権利条約を学ぶ連続講座第4回」(埼玉県さいたま市)50名で代表大屋が講師を務めました。。

 

原稿依頼

「こどものしあわせ」2019年9月号、2020年2月号、「子どもと読書」2020年5月号に子どもの権利条約31条について寄稿を依頼され、執筆しました。また、 2016年、2017年、2018年に続き、2019年も「長野の子ども白書」の編集委員を引き受け、巻頭2題4頁の執筆を引き受けました。

○研究・研修

 31条の会や市民・NGOの会が主催する研究会・学習交流会などには、参加をしてきましたが、Art.31としての、研究・研修活動はとりくめていません。また、一昨年の総会で夢を語り合った、「子どもキャンプ」や「セミナー」のことも着手できていません。31条の会、少年少女センターなど関係団体とは引き続き希望を語っていますが、十分な体制づくりができず、構想・実施には至りませんでした。次年度は、具体化的に調査・研究を始めていきたいと思います。

 

これらの活動を通じて、法人Art.31の会員も順調に増えています(正会員30名、支援会員4名、登録会員42口)。

さらに、活動を豊かにしていくために、次年度は会員を増やす取り組みを意識的に行いたいと思います。

 

<活動決算>

 2018年度から、「舞台制作」「書籍発行」の事業は、法人の活動から切り離すことを決め、資料・書籍や舞台芸術については、子どもの文化権を実現していくための企画立案および普及に限定しておこない、非営利団体の性格をより明確にし、会費と寄付金で活動を賄っていくことを決め、法人財政には繰越を残さないことを原則としています。

 2019年度も予算通り収支±0で決算いたしました。(会員報告済み)

 

議題② 第四年度の活動方針

 

<事業計画>

◯31条の普及のための資料発行事業

①権利条約・31条絵本ガイドブックの普及

②権利条約・31条「子どもたちへの呼びかけ」ポスターの企画・普及

③権利条約31条カレンダー2021の企画・普及

④「子どもの本棚に31条を!」キャンペーンの開催

⑤「今こそ、子どもの声が聞きたい!」キャンペーンの開催

⑥子どもの権利条約31条ブックレットの企画・普及

⑦子どもの権利条約ブックシェルフの企画・普及

⑧国連「最終所見」とゼネラルコメント№17の普及

 

◯子どものための舞台芸術の振興・普及事業

⑨清水きよし「Mime Road」「Mimeシアター『 KAMEN』 新作『子どもの時間(仮)』」の企画・普及協力

⑩ミケーレ・カファッジ「シャボン玉の魔術師『Ouverture』『Omino』」の交流事業企画

 

◯子どもの権利の社会発信事業

⑪「31条のひろば」9/27開催(事務局長:大屋)

⑫「最終所見」「ゼネラルコメントを!」の国会普及

⑬講演会・ワークショップ講師派遣

 

◯子どもの権利実現のための研究・研修事業

⑭子ども活動支援者研修セミナーの研究・企画・実施

⑮31条体験子どもキャンプの研究企画・実施

の4項目15の非営利活動を非収益事業として行うことを提案いたします。

これらの独自事業に合わせて、

子どもと文化全国フォーラム=団体正会員

子ども劇場長野県協議会=団体賛助会員

市民・NGOの会=共同代表(大屋寿朗)

長野の子ども白書編集委員会=編集委員(大屋寿朗)

「ちいきとこども」=共同編集

ちゃいるどふっど=個人会員

原村わくわくプロジェクト=事務局団体

などの団体との連携を深め、活動を広げていきます。

 

【活動予算】

 予算は理事会の決定事項(定款)となります。総会での活動計画と財政の基本方針の承認ののち、理事会で上記の予算を検討し決定しました。

 

議題③ 役員の選任

五年度も引き続き、発足時から継続する下記のメンバーを役員として選出しました。

理事:大屋壽朗※代表(長野県)、糸山嘉彦(岡山県)、大屋哲二(福岡県)、後藤和彦(広島県)、毛利葉 (鳥取県)、山本一視(福岡県)、吉田弘嗣(福岡県)

監事:柳弘紀(新潟県)

 

議題④ 特別決議

 

 Art.31とともに活動してきた子どもの権利条約31条の会は、緊急事態宣言が発表される直前の4月6日に下記のアピールを取りまとめ発表しました。(添付)

 さらに、緊急事態宣言の延長をうけて、緊急の世話人会を開催し、Art.31からの提案を受け、その後1週間かけて緊急かつ積極的な意見交換を重ね「子どもたちへの呼びかけ」のワニブタのポスターをつくりました。

 本法人は、このアピールの趣旨と、「子どもたちへの呼びかけ」を、積極的に普及していきます。